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「お、気づいたみたいだね」  声の主を探すとそこには山吹の姿があった。  暁は、意識を失う前のことを思い出そうとした。 「私、生きてるの?」 「うん。帯にかすって深くは刺さっていなかったって。命に別状は無いって医者が言ってたよ」 「薄紅さんは?」  山吹は視線を落とした。 「死んだ。そりゃそうだよね。しくじって生きてたら酷い折檻が待っていただろうから」  視界が滲むのを感じた。 「私の代わりに美露は死んだようなものなの。私の、代わりに」  暁はそれがなにより辛かった。  あふれる涙をそのままに山吹は暁の額にかかる髪を直した。 「それは薄紅の呪の置き土産。気にする事はない。あんたのせいじゃない。悪いのは、薄紅と、壱夜って男」
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