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「大丈夫? 今日は身上がり(妓楼にお金を払い休みにする)にしたら?」
「莫迦。それじゃあ借金は返せないだろ」
そう吐き捨てると山吹は器を持って立ち上がり部屋を出て行った。
「山吹っていつもそう。自分の稼ぎが少ないからって暁に嫉妬してるんだよ」
そう言いながら薄紅は暁に水を差し出した。
飲んで人心地ついた暁は答えた。
「そうかな」
「嫉妬って人を醜くするから持ちたくないものね」
その言葉に、暁は心を矢で射抜かれたように感じた。
「ねえ、薄紅さんは美露が羨ましい? あの行動に嫉妬する?」
うん? という表情をする薄紅に暁は続ける。
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