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暁は笑いが収まると匂いを嗅がないように息を止めて立ち上がろうとした。
「もうお腹いっぱいだから行くね。部屋で手紙を書かないと」
「もう?」
薄紅は目を丸くした。器の中身は殆ど残っていた。
「それと、今日はお座敷に出られそうにないから、休むわ」
「暁姉さま。残すの?」
「私たちに下さい」
六、七歳の禿達がわらわらと暁の前に集まり、上目遣いで見上げた。
「皆んなで仲良く分けてね」
わあい、暁姉さま優しい。
禿達は口々に言うと茶碗から均等に自分の器へと飯を移した。
暁はそれを見届けると部屋へと戻った。
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