それぞれの、道

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近くの薬局で絆創膏を買って来てくれた上に、あたしが歩けるようになるまで隣に座って待ってくれた。 あのときと変わらず、ほんとにあたしに甘すぎるんじゃないかってくらい優しい人なんだ。 …表には出さないけど。 「覚えてんの?今日」 「覚えてるよ、2年記念日でしょ?さすがに忘れないって」 「1年目忘れてただろ」 あれから優真とは続いてて、これもいつの間にか2年を迎えた。 あのときと変わったことと言えば、お互いを名前で呼ぶようになったこと。 あたしは呼ぶのに苦労したけど、優真は早い段階からあたしのことを茉央って呼ぶようになった。 優真からあたしの名前を呼ばれるたびに、何だか恥ずかしいようなくすぐったい気持ちになった。 「だって忙しかったでしょ?スポーツ大会とかあって。」 「ま、俺もカレンダー見て気づいたくらいだし。2年目覚えてんならいいわ」 そう言って頭をポンと撫でる。
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