それぞれの、道

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家に行くようになったとはいえ、泊まるってなるとまたちょっと違う気がしたから。 「うん、そうしようかな」 こんな会話をしてると、あぁ付き合ってるんだな、なんて変なことを考えたりすることがある。 そんなの2年も前からだったのに、未だにそんなことを考えることがあるのだ。 「何食べたい?」 「ハンバーグ」 「んふふ、分かった。じゃあスーパーに寄ってから帰ろうか」 優真はずっと変わってないのかもしれないけど、あたしは少しずつだけどちゃんと変われてる。 気持ち的な面で、優真に追いつけてきたかな、なんて思うんだ。 「そういえばさ、うちの大学って学祭ちょっと早かったよね?」 「何、急に。」 「今日近くに座ってた子達が話してるの聞いたの。去年は忙しくて一緒に回れなかったなーって思って」 それをふと思い出したのは、もう2年か、なんて思い出に浸っていたから。 優真と付き合って2年が経つのにそんな気がしないのは、こういうところにも原因があるんじゃないかな。
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