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「そっか、そういえば中村さん来なかったよね。今年は来てくれるといいけど」
「来るって言うまで諦めないって言ってたけど。中村先生にも用事があるだろ、教師なんだから」
「学校まで行くってこと?」
「そう言ってたけど、行く?」
そのときに中村さんに会えるなら、別にそこまでしなくても、なんて思ったけどシロの考えなんて分からない。
とりあえず中村さんに来てほしいってことなんだと思う。
「…ううん、あたしはいいや」
「そ、じゃあ俺もやめとこ」
「いいの?」
「正直半年しか通ってねぇから、そんなに思入れもないし。先生学祭に来るなら、そこで会えるじゃん」
そっか、優真は転校してきたから。
そういえば半年しか通ってないんだよね。
そんなこと忘れるくらいずっと一緒にいた気がする。半年だなんて思わせないくらいに。
「そうだね、あたしも学祭で中村さんに会えるからいい」
「高橋も行くって言ってたから、その日どっか行くか。2人だし。」
「いいね、行こう」
歩いて帰れる距離にある優真の家は、最初来たとき思ったよりも綺麗で驚いた。
あたしが想像していたのとは違って、たくさんあるマンションの中の一つ。
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