110人が本棚に入れています
本棚に追加
それぞれの、道
高校を卒業して大学生になって、あっという間にもう2年が過ぎた。
あれからあたしは合格した大学に入学して、慌ただしい毎日を送ってる。
少し前まで高校生だった自分がもう2年も大学に通ってるんだと考えると、何だか不思議な気持ちだった。
だって、時間が過ぎるのはすごく早い。
春に入学したかと思えば、もう後輩を迎え入れる立場になって、気がつけばもう3回目の春がきた。
もう2年も経ってしまったのか、なんて思うとまだ春なのに少しだけこの先が不安になる。
どうかな。変わったかな、あたし。
2年前に比べて大人っぽくなったかな。
髪だって伸びたし、茶色く染めたりもした。ピアスだってちゃんと毎日つけてるし、たまにヒールだって履くよ。
だけどね、やっぱり慣れてないことをするとダメなんだ。
ヒールを履いた日は靴ズレが痛くて途中で歩けなくなった。
「茉央」
「あ、ちょっと待って」
そんなとき呆れながらも助けてくれたのは、今あたしを迎えに来た加地くん…じゃなくて、優真だった。
最初のコメントを投稿しよう!