次の夕陽まで、おあずけ

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◇◇◇  いつもどおり、掘削作業をするようにして半分食べた後はお互いのパフェを交換して食べた。最終的に半分ずつ食べることになるんだから、玲ちゃんがあの場面であれほど悩む必要なんか全然ないんだけど。俺はそれを絶対指摘しないんだ。  店の外に出ると、空はオレンジと藍が混じり合って、不思議な色をしていた。隣で玲ちゃんが二の腕を(さす)る。あっという間に季節が変わってしまう。この空の色も、あと数分もすれば藍がもっと勢力を増して、夜を連れてくるのだろう。 「玲ちゃん、もう少しだけ一緒にいて。陽が沈むまででいいから」 「うん、いいよ」  玲ちゃんはそう言って俺の腕に絡みついてくる。寒いね、と言いながら、近くの橋の上まで歩いた。川面にオレンジの光が揺らめきながら反射する。それすらも、眺めている間に少しずつ飲み込まれていく。 「玲ちゃん、キスしてもいい?」 「そうやって訊かれるとやだって言いたくなっちゃう」 「え、じゃあ訊かなきゃよかった」  玲ちゃんがいたずらっ子みたいな顔で笑った。その隙に間合いを詰めて、掠め取るように唇を重ねる。
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