魔女の政権

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魔女の政権

 かつて魔女がこの国を統治していた時代があった。  魔女の権力は非常に強く、民衆が束になっても到底ひっくり返ることのない政治経済。  魔女は自分たちの力である魔法を思う存分に使い、民衆の心をマインドコントロールしていたと言っても過言ではなかった。  そんな魔女のことを窓のカーテン越しに見つめる一人の男性。  この男性こそが魔女の権力を全て無かったものにしようとする人物だった。  男性の名前はパブロ。パブロの正体は魔女と一般市民のハーフなのだ。  母親に魔女の権力構想の図式を教わって以来、ずっとこの世界に違和感を感じていた。  父親も魔女にたてついて、魔法で異世界へ飛ばされてしまったと母親に教えられた。  こんなことが許される世界なんて絶対におかしいと睨んだパブロは母親の魔法の書を読み、自分でも魔法が使えるようになった。これはハーフの血を受け継いだためだ。  パブロは魔法で魔女が握っている権力を奪い返すと、民衆からは感謝の声を受け取る。  しかし、パブロはその力を用いて、民衆の意見を逆手にとって政治経済を統治していく。  こうしてパブロによる単独政権が生まれ、民衆たちは再び苦悩の先に陥れられるのだった。 ー完ー
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