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玄関に入った虫の知らせが始まりを告げるストーリー
虫の知らせとはよく言ったものだが、案外早く見つかって良かった。始まりこそ単純明快なものだったのだ。
なにしろ、玄関という名の入口が目の前にあったのだから。
「フッ。これからどんなものが待ってるのか楽しみだ」
この物語がようやく幕を開ける。虫の知らせとは良く言うが、玄関に備え付けられたポストから、その知らせを聞いた俺にとって本当に虫が入ってきてもおかしくない状況にあったのだと思うと笑いが止まらない。
結末なんてない。あったとしてもこれから先の展開で複数のエンディングを迎える。
こんなのロールプレイングゲームのシナリオより面白いのなんのって、そりゃ楽しいものになるに違いないんだ。
俺はポストに入っていた便箋を手でぎゅっと握りしめるとまた笑みをこぼすのだった。
ー完ー
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