プロローグ

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 2025年10月30日、日本の東行ドームから全世界へ向けて衛生生中継がなされている。 1万人を超える来場者の中には、各国からのメディアの他に、世界的メガ企業のCEOや高名な科学者が列席している。。 ドーム内に設けられた会見場の壇上には、総理大臣、文部科学大臣、理化学研究所 理事長、 日本経団連会長等が、この日の主役である   朱雀太郎(すじゃくたろう)を迎えようと待ち構えている。 司会者がマイクを握った。   「それでは登場していただきましょう。朱雀太郎先生です」 会場内から大きな拍手が沸き起こる。 今年で60歳になる朱雀氏はしっかりとした足取りで、来賓者に軽く会釈をすると、会見台に歩み寄る。 マイクの位置を調整した後、朱雀氏は開口一番こう言い放った。   「皆さん、人間の寿命が300歳を超えるように成ります」  朱雀太郎は1965年に生まれ。資産家の両親の元、裕福な生活環境で何不自由なく育てられた。 幼少の頃から、友達を作ることが苦手であった彼は、本を読むのが大好きだった。 好奇心が旺盛で、気になる事は納得するまで何でも調べる勉強熱心な子供であった。 ある日彼は、何故トカゲの尻尾は生え変わるのだろう。 何故人間の歯は一度しか、生え変わらないのだろうと疑問が沸き起こった。 この疑問が彼を再生医療の道へと誘うことになる。 大学の医学部で再生医療の研究に没頭し、卒業後も研究員として大学に残り、その道を極めていた。 しかし、大学内の政治的な派閥争いに嫌気がさして、辞表を提出した。 その後は、資産家である朱雀家の支援を受け個人で研究を続けたのである。 そして今日、偉大なる研究の成果を発表した。。 彼が成し遂げた再生治療による、人間の延命により、世界の科学が超加速度的に発達をする事になる。
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