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side Shiori …2…
「だから、さっさと告白しとけば良かったのよ」
土曜日。
凪君と彼女さんが仲良くマンションの中へと一緒に入るところを見た後、今週の私は本当に酷かった。
まず、朝、凪君に顔を合わせられなくなった。
フレックス出勤だった為、いつも凪君の出勤時間に合わせていたが、出社時間を1時間、早くした。
毎朝、凪君で充電出来なくなった私は、彼に彼女がいたことも最悪の相乗効果となり、仕事でミスを連発した。
上司にも怒られ、迷惑を掛けてしまった周囲の人達にも謝り倒し、私のポンコツさを心配した咲が「土曜日、飲み明かそう!」と誘ったのだ。
「さ、咲ぃ……」
まだ飲んでもいないのに、既に半泣きだ。
「関係を壊すのが怖いからって、いくらなんでも限度があるわ。限度が。中高生じゃないのよ?幼馴染なんでしょ?お互い幾つになったと思ってるの?」
「26です……」
「幼稚園前からの付き合いだから20年以上よ?一体、何してるの」
「ごもっとも……」
「そっち系の話が出てもおかしくない年頃よ?お互いに。その彼に付き合ってる人がいたって変じゃないでしょ?栞だって、この前、林先輩に誘われてたじゃない」
思い出して、鳥肌が立つ。
「き、キモかった……」
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