22人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
積極的な彼女に俺は驚き耳を抑えた。
(……ま、そりゃそーか)
変に納得していると、原も社員証をかざしながら不審げに俺に尋ねる。
「……なんかお前ら怪しくね?」
「別に」
「やけに親し気に見える」
「そうか?気のせいだ。朝のMTGについて話してただけ」
「そう言えば、C社の案件どうなった?急に仕様変更が入ったって?間に合うのか?」
「ああ、アレな。お前が手伝ってくれる筈だから大丈夫。課長にも言っといた」
「はぁ?オレかよっ!」
「チームの営業担当は滝さんだ」
「マジか……。持つべきものは『友』だなっ!」
明らかに仕事量が増えたくせに、ホクホクと上機嫌になった原を見る。
(素直なのは原だろ……)
そんなことを思いながら原には気付かれない様、俺は今日何度目か分からない溜息を吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!