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菜月がやっと口を開いた。 「私にもわからない、好きかなぁ~?」 「かな…?」 「うん、それが恋とかなのかわかんない」 「なんじゃそれ?」 「だよね?ただ側にいてくれると一番安心と言うか…」 「はぁ~?小さい時から一緒にいる私の立場はぁ~?」 凛は半分怒った表情を作ると、菜月を肘でつつき彼女の顔を覗きこんだ。 すると怪訝そうだった菜月の顔がゆっくりと緩んでいった。 「まぁいっか!何かあったら必ず言いな!」 「うん、ありがと」 菜月と凛は言葉少なくとも分かりあえる、家族よりも心を許す仲。 そんな二人は一度だけ小学校の時に喧嘩をした事があった。 菜月が凛の大切にしていたキーホルダーを壊した時だった、その時はちょうど同じキーホルダーを菜月が持っていたので、それを渡して終わった。 ただ、菜月は凛がたかがキーホルダーで何故そんなに怒ったのか疑問を残していた。
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