君と僕の一週間

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車のクラクションが鳴る。その直後、僕は車に跳ね飛ばされたのか視界が暗転し、そこからのことは覚えていない。しかし目を覚ますと、僕は見知らぬ草原にいた。「ここどこだろう…取り合えずスマホ出してみよう…」 ポケットに入れたはずのスマホを取り出そうとしたのだが、ポケットの中は空っぽ。それどころか、持っていたバックなどの所持品がすべてなくなっていた。 「どうしよう…このままじゃいけないな。取り合えず周りを歩いてみるか。」 周りを見渡すと一人の少女が草原に一人で立っていた。話しかけようとしたのだが、その少女はいつの間にか消えてしまった。そこで突然また視界が暗転した。次に目を覚ましたのは、とある病院のベッドだった。 「よかった!目を覚ましたみたいですよ!先生!」 その声はおそらく僕の母だということがすぐに分かった。その後、医者らしき男性が僕の近くに来て、状況の説明をした。 まず、僕は横断中の横断歩道で車にはねられ、頭を打ち、気を失った状態で病院に搬送されたそうだ。車の運転手はその場で警察に連行されていったらしい。怪我の程度は奇跡的に軽傷で気を失っただけだということなどを説明された。念のため、一週間程度の入院が必要とのことで、入院生活が始まった。しかしこれが、不思議な出来事の始まりだった。入院したその日から、僕は不思議な夢を見るようになった。気を失った後に見たあの夢だ。しかも毎日。 そして入院生活が終わり病院の外に出た時、あの少女がいた。きれいなかわいらしい服を着た小学六年生くらいの女の子。しかし、来ているその服は、なんだか中世の貴族のような服装だった。その女の子は僕に向かって歩いてきた。 そして言った。「あなたですか?私の世界に迷い込んだのは。」 突然意味の分からないことを言われた僕はしばらく混乱した。そして少女に質問されたのに質問で返してしまった。 「あなたはもしかして夢の中の女の子?」そう聞くと少女は「質問を質問で返さないでください。あ、夢の中の少女とでも思っといてください。で、なんで私の世界に迷い込んだのですか?」 僕な何と答えるべきかわからなかった。適当に「なんでかなぁ?気を失ってから不思議と勝手に夢に出てくるみたいなんだよね。あはは・・・」
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