寂れた商店街

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 リアンは酒場がある商店街を、いつものように歩いている。  朝の今の時間、店を開けている所は、ちらほらとしかない。いや、それは朝の時間帯だけではなかった。  ジャンの話によれば、この商店街も昔は常に人で賑わっていたということだ。  しかし、ジャンがまだ子供の頃に起きた地震が原因で、土壌が崩れ、水が汚れてしまった為に、この街で盛んに行われていた酒作りができなくなってしまったのだ。そのせいで、酒を作る酒蔵も全てなくなってしまい、この街の人口も半分以下になってしまった。  酒職人に頼っていたこの商店街にある店も、何件潰れたことだろう。  リアンは、この過去の遺物になりつつある商店街を歩く度、寂しい気持ちに襲われていた。  同級生の子の家が、ここ最近、何件も閉店している。  この街では仕事らしい仕事がない為、店を閉めた人達は、また一人、また一人とこの街からいなくなってしまっている。  商店街を抜けると、永遠に続くかと思う程に伸びる坂の前で、リアンは立ち止まった。  リアンは毎朝ここで、同級生の花屋の倅のドニーと待ち合わせをしている。 「おはよう!」  リアンが寒そうに手を暖めていると、背後から声を掛けられた。声の主はドニーだ。  ドニーは緑色の長袖の裾で、鼻水を拭うと、「よーい、ドーン!」と言って、急な坂道を駆け出して行く。  リアンもドニーにつられて、駆け出した。
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