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群青色の空の下、右側を車のヘッドライトが通り過ぎていき、左側をボブヘアの君が連なって歩く。君の身長は僕の肩くらいの高さで、サラサラした髪が揺れる。
ちょっと触れたくて左手を伸ばしそうになった。
「イタリアン? 和食?」
「なんでも。ラーメンでもアリなくらい」
「うわー。……でも、逆にありかも。私、ラーメン好きですよ」
「いや、突っ込めよ」
「突っ込んで欲しいんですか?」
「ん、まぁ、そうかな」
突っ込みを期待するなんて、僕は君に甘えたいのだろうか。十歳以上年下の君に。
甘やかしたい、というのはどうやら違う気がする。年下だけど対等な関係が所望だ。
突っ込んで欲しい、突っ込みたい、そういう言葉が頭の中で多義的に反響する。
まぁ、そんなことを口にはしないのだけれど。
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