プロローグ

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もしもあのとき、あの場所で彼女に出逢ってなかったら俺はこうして佇んでる事はなかっただろう… 彼女との出逢いは本当に一瞬で偶然の出来事だった。 それはまるで漆黒の闇を一瞬で引き裂く流れ星のように… だけど俺はこの出会いが偶然ではなく、必然だったのだと信じたい… これこそが俺の運命なのだと… きっと彼女の存在が俺の中で必要な人で、好きになる運命だったんだって… 自分でも何を言ってるか分からないけど、俺は彼女との出会いに運命を感じていたんだ。 たとえ彼女の中で俺の存在が必要のない人だとしても、哀し過ぎる運命の結末を辿ろうとも、それでも一途で純粋な彼女の心に強く惹かれていただろう… 彼女が必要としてる恋人を想い続けているように、俺も彼女だけを想い続ける… でも、俺は多少強引ながら、この俺の初恋を一言でまとめたいと思う。 俺の初恋は実らなかった。 この初恋はただ、俺の中の世界を揺るがし、運命すら翻弄する、俺の物語だったのだと… それでも俺の中ではっきりしている真実は、今でも彼女が好きだということ―。
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