追憶1一出会い一

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背は小柄な女性より若干高めだが、俺より背は低いようだ。 またその女性は夏らしい水色のワンピースを着ていて、驚くほど似合っていた。 年齢は20~22歳ぐらいだろうか、パッと見た感じは夏休みの大学生で大人しい雰囲気の女性だった。 「どこ見てるのよ!」 その台詞に虚を突かれて、俺は女性を見上げた。 明らかに女性は怒っていた。 大人しい雰囲気の容姿とは裏腹に、第一声でいきなりである。 まぁ、腕時計によそ見してた俺が悪いんだけど。 「ごめん!ちょっと急いでて」 俺は慌てて立ち上がり、散らばった物を拾い集める。 その女性も怒っていたが、俺に続いて散らばった物を拾い集めた。 「これで全部かな」 辺りを見回し、最後に籠バッグを女性に手渡す。 「よそ見しないで、ちゃんと前を見て歩いてよね」 「うん、ごめん!」 平謝りしたがもう時間がない。 「本当にごめん!」 俺はそれだけ言って、喫茶店へ向かって走りだした。 「ちょ、ちょっと!」 女性の呼び止める声も虚しく、俺の耳には届かなかった。 これが、俺と高野理央とのファーストコンタクトである。
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