猫が書いた詩、わたしが運ぶ詩

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
そろそろ浮上しなければ。スカイブルーに手を伸ばすけど、ディープブルーに舐められながら飲み込まれていく。どうやら喧嘩を売られたらしい。いい度胸だな日本海わたしの息が尽きるのが先か喉が(えら)に化けるのが先かその喧嘩買ってやる吠え面かくなよ太平洋今からわたしがお前らを一息で飲み込ボゴボゴボ 昇る泡がキラキラ揺れる あの笑う子は誰だっけ くらむなんとかくらむなんとか くらむ……くらむ…… くらむ 後日、猫に秋刀魚で釣り上げられた。 贅沢な奴ニヤアと嫌みも言われた。 どうやら、わたしはレベルが上がったらしい。生えた背鰭(せびれ)は麗しいから、しばらくこのままにしておこう。尾びれは要らない、マジで要らない。こちとらコスプレイヤーじゃないんだよ。  
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!