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フロアC-2
彼の声を聞くのは3年振りぐらいだ。当時と声は変わっていない。
「元気か?」
私は尋ねる。そして彼は答える。
「元気ではないです」
私はその理由を尋ねた。
「どうした?何かあったか?」
彼はぶっきらぼうにこう答えた。
「今、あんたから電話が掛かって来たから」
この電話が原因で元気がないのか。仕方ないので本題に移る。
「うちの店も忙しくなって来てな。どうだ、また働きたいなら考えておくが…」
彼は即答する。
「無理です」
私はその理由を尋ねる。
「何故だ」
多少、自分の語気が荒くなるを感じた。
「4月から就職するからです。それじゃ」
電話が突然切れた。Cがこんな失礼な人間とは、当時は知らなかった。人の本性は時を経て知るものだ。
今回は諦めて、他の候補者を探すことにした。
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