6人が本棚に入れています
本棚に追加
アフター
街は凄惨な状況にあった。悪の組織の名はブラックキギョウ。一人の怪人、100人の戦闘員という戦力に、人口七万人の街がのまれていく。自警団など全く無意味。1000人ほどいた団員は壊滅状態に。挑んだほとんどが惨殺された。怪人に手も足もでない。怪人の吐く炎に巻かれ死にゆくもの多数。怪人に噛み砕かれ死にゆくもの多数。戦闘員ですら常人の3倍の強さである。挑んだ者は、撲殺された。自警団が壊滅した後、街は破壊、略奪、強姦され放題だ。待てぃ!ブラックキギョウ!駆けつけたのは、正義のヒーローガードメン!ガードメン、助けて!強姦されながら救いを求める主婦。傍らには蹴り殺された息子の死体がある。戦闘員は腰を激しく振り続けていた。貴様ぁ!ガードメンが怒りに任せ戦闘員の顔面を蹴り飛ばす。離れてなお、戦闘員の股間はいきり立っている。キィン!キィン!奇声を発しガードメンに襲いかかる戦闘員。てや!ガードメンのパンチが顔面をもろに捉え、戦闘員はへなへなと崩れ落ちてゆく。さぁ、早く逃げて!ガードメンが主婦に声をかけるが、主婦は満身創痍である。なにせ、力が常人の3倍である。生殖器も自ずとだ。主婦の性器は血に染まっていた。なぜ直ぐに助けに来ないの・・立ち上がろうとして、座り込む主婦。あんたが直ぐに助けに来たら、息子は死なずにすんだかも知れないのにぃ!鬼相でガードメンを睨み付ける主婦。そこに他の戦闘員が投げた槍が眉間に刺さり主婦は敢えなく絶命した。お、おぁあああ!ガードメンが腰に下げた十手を手に取り戦闘員を攻撃する。頭部に手加減なしの一撃を加え、その戦闘員は絶命した。街中を奔走するガードメン。目を覆いたくなる光景ばかりである。食い散らかされた死体があちらこちらに。破壊された建物、燃え盛る炎。泣き叫ぶ子ども。トラックに積まれる人々。7万人の街がたった101人の組織に滅ぼされたのだ。ガードメンは怪人を見つけた。怪人の前には裸にされたこどもから大人まで20人ほどが戦闘員に囲まれている。怪人は誰構わず無造作に手に取ると、やめ、やめてと言う言葉を聞きながらバキッ、バキッっと音をたてて飲み込んだ。蜥蜴の体の怪人、全身が赤い。ガードメンは怒りに震えた。まてぃ!ブラックキギョウ!そこまでだ!愛用の十手を手に怪人目掛け突っ込むガードメン。戦闘員たちが当然立ちはだかるが、ガード十手でけちらしていく。ヒーローだけあって常人の3倍の戦闘員相手に怯まない。その場にいた戦闘員11人を相手に奮闘している。その間にも怪人は暴食を繰り広げており、早く助けて!おい!助けろよ、早く!人々から罵声が飛ぶ。ガードメンは、3人の戦闘員を殺害し、二人を戦闘不能に追い込むと、怪人の背後に迫った。頭部に目掛け、渾身の一撃を振り下ろす。ガツン!確かに無防備な状態で十手を打ち付け、手応えはあった。そう、確かに手応えはあり、グロロ・・喉をならし、怪人はガードメンに首だけを向けた。口には、痙攣したこどもの足が出ている。それをゴクンと飲み干し、ゴファン、ゲフゲフと何かを言った。一番近くにいた戦闘員が、来たか、ガードメンと言っていると通訳してきた。そもそも人と違う声帯構造だ。上手く人語を喋れるわけがない。その人たちを放せ、怪人め!ガードメンは十手を構える。ヴォッフォッフォッフォ、バッバキッベキボブボブ!怪人は、目を半目にし、大きな口を開け、ガードメンを威嚇する。ヴォッフォッフォッフォ、やってみるがいい、だ。戦闘員が通訳してくれた。そうさせてもらうぜ!息巻き突撃するガードメン。が、容易く強靭な尾で弾き飛ばされた。常人なら木っ端微塵になっている一撃。20メートルほど飛ばされ、ビルに激突して止まった。ぐく、くぅ・・ガードメンの口から多量の血が漏れ落ちる。10tの衝撃に耐えるガードスーツも形無しの有り様だ。着装してなければ、ガードメンとは言え、即死だったが。壁に寄りかかり、何とか立ち上がるガードメン。視線の先には、無慈悲な食事を続ける怪人の姿が映る。『やめろ、お前も元は人間だったろ、なぜそこまでできる!』ガードメンは瓦礫から鉄柱を見つけ、それを杖によろめきながら怪人を目指し歩を進めた。戦闘員が襲いかかろうとするが、怪人が制する。ガードメンの半分砕けたマスクから笑みが溢れた。怪人、お前の名は?ガードメンは必殺技を使う前に、名を聞いておきたかった。ブァフォファヘ。火蜥蜴様だ。と戦闘員がフォローする。なら、火蜥蜴!いくぞ!ガードメンの体が金色に輝いた。はぁぁぁぁ!腰にさげたガード十手を手にとり根性力を放出する。これから、10、20秒。ガード十手がカシャンカシャンと延びていく、筈だった。火蜥蜴から放たれた大火球がガードメンの体を襲う。熱さ300℃まで耐えるガードスーツが溶け、ガードメンの肉体が一瞬にして黒焦げになった。炭素化し、鉛筆の針のようになった元ヒーローは、そよ風のなびきで儚く散っていった。一瞬でこの世から消え去ったヒーローには、この後に放つ必殺技が夢の中で放たれていただろう。
ガードエクストラインパクトぉぉぉ!
敵が長くかかる必殺技を待ちますかっての!隙だらけやん( ´_ゝ`)
終わりですよ。
最初のコメントを投稿しよう!