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HRはそのまま1時限目の数学の授業に突入。Xが引き続き担当だ。
「そういえばX先生?って本名?」
淼が当然の疑問を白子にぶつける。
「まさか。あいつはね、『久世音 麗人』っていうの。英語表記だと『Xenon』だからXって呼べってさ。相当な唐変木でもそんなこと言わないよね」
「本名も凄まじいね…ビジュ系みたい」
「あなたもね。で、下の名前もかけて登録名を『Xレイテッド』にして欲しいとか言い出して怒られてたわ。だいたい学校で登録名って、野球じゃないんだからさ」
程なくしてX先生が教壇に立った。
「はい静かに。今日は『フェティシズム』について考察するぞ。わかるか?フェティシズム、つまりフェチだ。元々は宗教や精神世界の用語だが、今では『異様に好きなことや物』みたいな感じで割と気軽に使われてるな」
Xはスラスラと話を進める。毛玉まみれジャージにボサボサ頭の割には意外に先生している。
「そこで今日は、みんなに『何フェチか』を発表してもらう。あ、単に好きってだけじゃアウトだぞ。フェチって言うからには、ただカレーライスが好きってレベルだと赤点没シュートだ。カレーを1日3回1ヶ月続けて初めてフェチだからな。はい誰か!最初はポイント倍だぞぅ!」
みんな呆気にとられてX先生を見ている。いやどうするつもりだ数学の教科書。
「おーい誰もいないかー。しょうがねえ、じゃ先生から行くぞ」
いやあんたの話はいらないけど⁉︎…生徒全員嫌な予感しかしない。
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