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X先生は平然と授業?を続ける。
「じゃあ…壁戸 梨々子!何フェチだ?」
「だっ…なんであーしに…」
困惑し固まる梨々子を、悪友のあやねがからかう。
「梨々子はさあ、筋肉フェチだよねー!」
梨々子は真っ赤。隣の席のマッチョ本人、健五も真っ赤になっている。白子が俄然やる気を出す。
「淼ちゃん!あの赤くなってる2人ね、梨々子と健五はね、恋人同士なのよー!」
無駄に声がデカイ。教室は「ブラボー!」「ブラボー!」「フラウボゥ!」というおなじみの歓声に包まれる。だが梨々子と健五はそれどころではない。
「健五…あーしね、すっごい白子とXを殺したい…xをyに代入してやりたい」
「耐えるんだリリ、Xは僕がいつかZにしてやるから。正面から見たときの体形をね」
健五がキリッと決意する一方、淼は変な歓声を発した女生徒に注目した。
「白子ちゃん、今フラウとか妙な声を上げたの、あの可愛い子?エキゾチックでモデルさんみたい」
「ああ、あの子はカミーユ・ジダン。交換留学生で、アルジェリアとフランスのハーフよ」
「また微妙にいろいろ似てる名前…」
「同じ名前の主人公が出るからって、ガンダムにどハマリしてさ。『クールジャパーン!カンタムロボ!カンタムロボ!』って大騒ぎよ。ちなみに彼女、自分を『オラ』って言うのよ」
「それ作品間違えてるよ…教えてあげなよ白子ちゃん…」
残念がる淼に、白子は畳み掛けて案内する。
「漢字名は私がつけてあげたの!『髪結示談』って、素敵でしょ」
「お客さんとトラブル起こしまくる美容室みたいだね…」
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