2年B組X先生

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 亜一(あいち)尾張(おわり)市の東端に位置する「県立尾張(おわり)西(にし)高等学校」。謎の校名が池袋駅周辺みたいだネ!と好事家限定で人気の学校だ。  2年B組、朝のHR。担任教師が教室に入る。ジャージの多すぎる毛玉が朝日に照らされ輝く。取れ。いいからヒゲ剃りのお化けみたいなアレで取れ。 「おはよう!今日は転校生を紹介するぞ。さ、入って自己紹介を」  ドアから入ってくる転校生。小柄でショートボブの似合う美少女だ。黒板に自分の名前を書くが…しばらく書き終わらず、チョークの音が響き渡る。  ようやく書かれた名前。 「(とどろき)(むし) (すい)」 (いや画数ー!) (形ー!)  困惑する生徒達。担任はさほど気にするでもなく、轟蟲淼を呼び寄せる。 「ようこそ西高2年B組へ!俺は担任のX(エックス)だ。席は…あそこだな。あいつの隣ならちょうどいい」  (すい)は中ほどの空いた席に座る。その途端、隣の女子生徒が猛烈な鼻息で話しかけてきた。 「おはよう!私、案内(あない)白子(しろこ)!私、転校生に校内を案内(あない)することのみに特化した学校生活を送っているの。よろしくね!」  パッチン留めに黒縁眼鏡のルックス、親切そうな行動はまるで学級委員長のようだがそうではなく、白子はただのお節介が過ぎるヨゴレJKである。 「初めまして。頼んでないけどお願いします」 「轟蟲さん…凄い名前ね。由来ってあるの?」 「あ、同じ作者の『はじめました課』という作品に、従姉妹のことですけど由来が書かれてますよ。出オチしかない駄作なんでおすすめしませんが」 「駄作は言い過ぎよ、ゲームで言えばクソゲー程度じゃない?」 「どう違うの…」
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