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空は曇天。
不安ばかりを煽る曇天……
だが、それ以上に不安を煽るのは、目の前の無数のマグネット広告……
――ガサガサ
無数のマグネット広告が、蠢いた気がした――いや、確かに動いた…!
「ヒッ…!」
俺は小さな悲鳴を上げる。
と、さっきから郵便ポストを睨みながら頭をガリガリと掻きむしるそいつが、不意に、にこやかなニコニコ顔で言うのだった。
「では小林君、この怪異の紐解きを始めよう」
俺は大林だ――
こんな奇妙な状況となった原因は、二日ほど前に遡る。
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