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浦部駅は美術館や映画館、図書館など文化に満ち溢れた町として有名である。愛理はそこの駅に一時間ほどかけて辿り着くと、すぐに国立日本図書館に赴いた。
国立日本図書館は全面ガラス張りで形は地上五階建て、地下三階の長方形の形をしている。外から見てみると図書館には一見して見えないが、ここが図書館であると、入り口前の立て看板が示してくれた。
入り口のドアを潜ってゆっくり歩くと目の前に受付が見えた。その受付に座っている女の人に話しかけると、入館カードはお持ちですかと聞かれる。
「持っていません……」
愛理が困ったように言うと、受付の女性はすぐにお作り出来ますのでご安心をしてくださいと言ってくれたので愛理は胸を撫で下ろした。受付にて必要書類に名前や住所を記入し、小さな手に収まる程度の大きさの長方形のカードをもらった。このカードを受付より先にある専用の機器のタッチパネルに触れさせることにより、腰の高さまであるゲートが開いて図書館に入ることが出来た。
「ここが国立日本図書館! 無数の蔵書があって古代の魔法から現代の魔法の情報まである場所!」
誰に説明をしているかわからないが、愛理は突然国立日本図書館のことを喋りだす。目を輝かせている愛理を他の利用者の人達が微笑ましそうに見ていた。しかし、職員の一人が愛理に少しお静かにと声をかけると愛理はごめんなさいと言って反省した。
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