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まさかのお誘いに断るという選択はなく、2つ返事で俺は再び座り込んだ。
長瀬さんは立ち上がり、キッチンの方へと行き、少しするとカレーを持ってきてくれた。
「カレーです。お口に合うかわかりませんが。」
「ありがとうございます。カレー大好きです。」
じゃがいもやニンジン、肉も大きめのサイズでカットされていて、凄いボリューム感あって美味しそう。
「いただきます。あつ、けど美味い。」
猫舌を忘れてパクりと食べたカレーは熱くてヤバかったが、味は絶品。
「こんな美味しいカレーが作れるなんて、長瀬さんはいい奥さんになれそうですね。」
スプーンが止まらない。美味い
長瀬さんの顔をとくに見ることなく、言ったのだが、何も話さなくなったのが気になり、スプーンを止めて顔をあげる。
「夕凪さんっておいくつなんですか?」
「23です。」
「年上って嫌いですか?」
「年上ですか?別に嫌いではないですけど。」
なんか突然の質問攻め。カレーに年は関係ないとおもうんだけどな。
「あのお願いがあるんですが、いいですか?」
「僕に出来ることであれば」
かしこまった感じの雰囲気。一体何をお願いされるんだ?
玄さんの所に一緒に行ってくれ?それは一緒に行くよな?
なんだろう?
「アタシと友達になってくれませんか?」
「友達ですか?はい。いいですよ。」
「本当ですか?本当にいいんですか?」
「はい。」
まさかの質問ではあったが、別に嫌ではないので全然OK。ってか友達になるのにそんなに喜ぶかな。
俺の視線の先では嬉しそうにガッツポーズをしている長瀬さんがいる。
友達になって下さいなんてはじめて言われたわ。
「じゃあ敬語やめませんか?お友達なんですし。」
「そうですね。了解です。」
軽い感じでOKしちゃったけど、さっきの質問からして長瀬さんって俺より年上なんだろうけどタメ口でいいのかな?まあけど、本人がそうしたいって言ってるんだからいっか。
「忘れる所だった。これ御守りです。」
忘れかけていたBird &Tree のキーホルダーを長瀬さんに手渡した。
「困ったことがあったらこのキーホルダーが助けてくれるよ。」
「ありがとう。凄く嬉しい。肌身離さす持ってるね。」
嬉しそうな長瀬さんの顔を見て、一安心。いらないって言われたらどうしようかと思ってたから。
美味しくてあっという間にカレーを食べ終えた俺はおかわりまでして、玄さんのお店へと二人で向かった。
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