昼と夜の間

1/1
前へ
/1ページ
次へ
昼と夜の間に争いが生まれた。 世界は昼だけの国と夜だけの国に分断された。 真ん中から二つに分かれたわけではなく、まだらに入り組んだ地形のように昼と夜は複雑に組み合わさり、各地で小競り合いが続いた。 やがて膠着状態にしびれを切らしたある国が禁断の兵器を使った。 古代文明の遺産とも天から降ってきた何かだとも言われるそれは、世界を粉々に破壊し再構築した。 生き残った者は誰もいなかった。 もう昼も夜もない。 薄暗い明かりの中で人の形をなくした者たちが出会う相手を誰何する。 彼は誰。誰そ彼。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加