序章 大陸烽火

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当時19歳だったディオニスがグランツ・ヴァルナ帝国の7代皇帝に即位したのは、帝国樹立から160年を経たギストリア暦330年だった。 その直前に父帝と兄が相次いで死亡したことから、当時彼は「タナボタ皇子」と呼ばれていた。 しかし、帝室に伝わる三種の聖宝である時空の杖、人心を掌握する支配のサークレット、そして運命を操る魔法の指輪を身につけた新皇帝を見て、人々の評価はあっという間に変わった。 「余は約束しよう!帝国を大陸一の国にすることを。臣民たちに世界一の尊厳と豊かさを提供することを!」 サークレットの魔力もあって人々は新皇帝ディオニスの演説に熱狂し、「タナボタ皇子」は、たちまち「偉大なる聖帝様」に変わった。
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