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オリーブ・アルゲニブは元ローゼンベルク騎士で、祖国滅亡後は仲間の命と引き換えに、帝国の兵隊として働いていた。
焦げ茶色の癖毛ミディアムショートで濃い藍色の瞳をした彼の顔の左側、目元から頬にかけては、朝日葛という植物をモチーフにした刺青が入っている。
なかなかの美男子だが、彼が物心ついた時には親戚の家をたらい回しにされており、人との繋がりを持ち難い状況で育ったため、それだけの美貌に恵まれながら感情の起伏には乏しく、人と接するのが苦手だった。
そんな彼の心を開いたのは、人の心を包み込むような、明るく優しいランバートの存在だった。
彼と出会わなければ、オリーブは今でも帝国兵だっただろう。もしかしたらもう墓の下にいたかもしれない。
その日、彼と食事を共にする予定だったランバートが突然姿を消した。ランバートと仲良しになった使い魔の猫「アンブレ」によって彼が拉致された事実を知ったオリーブは、すぐさまそれを仲間たちに伝えた。
ガイエスブルグの守備兵力は概算で約300。対するゲリラ隊は30。
「ランバートを救出する。」
彼我の戦力差はほぼ10倍。それでも、ランバート救出に異を唱えるものはほぼいなかったーー
敵方には多くの魔人兵に加え、10人を超える熾天騎士団員がいたが、ゲリラ隊のメンバーは普通の人間たちではなかった。
親友ランバートを救いたいオリーブの獅子奮迅の活躍もあって、ラッツェンベルガー伯爵や熾天騎士バロウルを始めとした守備兵力はほぼ全滅し、一夜にして城はゲリラ隊の手に落ちたーーーー
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