序章 大陸烽火

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祖国を裏切った貴族ラッツェンベルガー伯爵を倒し、城を奪還したことは、たちまち城下町のオステンドルフ市民たちに伝わり、ガイエスブルグ城には志願兵が続々と集まるようになった。 ローゼンベルク戦役中に異世界から来訪し、レジスタンスを組織した若き魔法戦士リーシャとイーグル。 火炎の剣技を持つ銀髪の騎士フリッツ。 貴族であり、騎士でもあるブラッケン男爵。 遥か東方の島国クナ国からの旅人、拳闘士ヨーコと魔術師ハルアキ。 若き弓使いランディ。 元グラナダ海軍提督アスカーニオ・スフォルツァ公爵。 中でも彼らは一見してそうと分かるほどの腕利きで、しかもリーシャたちが組織した魔法使いによるレジスタンスグループ「青の塔(プラウ・トゥルム)」総勢30名を後日呼び寄せたため、ガイエスブルグの戦力は一気に増強された。 良いことはそれだけではなかった。 ガイエスブルグにほど近い廃城に身を潜めていた公太子ハインリッヒと宮廷魔導師シウスが、大陸にその名を轟かせる腕利き盗賊団「闇夜の宝石鳥」の仲介により、ゲリラ隊のメンバーと合流することが出来たのだ。 次の獲物として皇帝の持つ聖宝を狙っていた闇夜の宝石鳥は、情報源として知識の塊であるシウスに初めから目をつけていて、ハインリッヒの発見については全くの偶然であったが、ランバートやファウストが主君との再会を喜んだのは言うまでもない。
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