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「ありがとうございました。誰かにおばあちゃんの話をしたのは初めてです。ずっと泣いてばかりですみませんでした・・・」
帰り際、ドアの前で女性は苦笑いで申し訳なさそうに背中を丸めて言いました。
ここへ来て初めての笑顔はとても可愛らしく、18歳だという彼女は、年相応の女の子の顔をしているように見えました。
「ここはそうやって、来てくださったお客様の心が軽くなって頂く為の場所みたいのものなんですよ」
「ありがとうございます。お店、入ってみて本当に良かったです。私、畑中 小春といいます。ここにこんな素敵なお店があるなんて知らなかったので、久しぶりにお散歩して良かったです」
「ふふっ。私も、小春さんに出会えて良かったです。来てくださってありがとうございました」
ドアを開けた小春さんの背中に「お元気で」と声をかけると、彼女は一瞬「えっ?」と目を丸くしてこちらを振り返ったあと「あぁ、えっと、はい。また来ます」と笑顔で会釈をして帰って行かれました。
みーこちゃんと私は、扉が閉まる瞬間まで二人で感謝の気持ちを込めて頭を下げていたのでした。
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