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大学一年・春
雲一つない空の青が、暖かな光に蕩け、キャンパスを照らす。
はらり、ひらり、と淡く咲く桜が舞う中。
わたしは構内の道を歩く。
抽選になった講義の当選発表が、学部棟の入口横に掲示される日。
履修登録の期日が迫っているからか、黒山のような人だかりとなっていた。
百五十センチに満たないわたしが爪先立ちをしても、他人の後頭部しか見えない。
圧倒的に男子が多い工学部なら尚更だ。
溜息をつき、番号を書いたシラバスを抱え直し、離れようとした矢先。
とんとん、と、わたしの右肩が指で叩かれた。
「三十番。機械情報工学科に同じ番号がありますよ」
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