私の親友と幼なじみの王子様

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私の親友と幼なじみの王子様

「スカーレット!君がこんな人だとは思ってもなかった!」 「きゃあ!」 ドン!と何かが何かが倒れる音ともに、軽い悲鳴が響き渡る。その声により演奏が止み、私語が消え、全員が声の元に視線を集める。 「スカーレット嬢。もう二度と、カレンには近づかないでください。」 「最低だよお姉様。ま、あんたのことお姉様なんて思ったことないけど。」 「今すぐ消えろ。」 倒れた人物に向かって投げかけられる言葉。到底貴族の子供達が発している言葉とは思えないほど私情に溢れかえっているように聞こえる。 倒れた女性。スカーレットと呼ばれた女性は、その名の通りスカーレット色のドレスに身を包み、それが映える美しい黒髪を緩く巻いている。どこから誰が見ても美少女、それを突き飛ばしたのは貴族の息子たち。 先程まで談笑していた学園の者たちは、静かに固唾を飲み込んで見守る。1人を除いては、 「お待ちください!私が、私が、何をしましたか!?」 「何を、だと!?」 応じ、この国の皇太子である第2王子が声を荒らげ近くにあったテーブルのものをスカーレットに向かって投げる。 「きゃあ!」 腕を上げて顔を守るが、腕に皿に乗っていた肉がぶつかる。 「お前は!庶民であるからと言ってカレンにどんな仕打ちをした!」 「お待ちください!私は何も.....」 「くどいぞ!」 王子が叫び声をあげれば、スカーレットは黙るしかない。上位のものの言葉を遮るなどあってはいけないことだ。まぁ、まず貴族が他のものの言葉を遮るなんていう無礼が許されてないのだが。 しかし、皇太子という立場上誰も指摘しない。 「ほんっとお姉様ってバカぁ?」 本気でバカにするように声をかけるスカーレットの弟であるアルフレッド。 「あ、アル?」 スカーレットが恐る恐ると言うように声をかけると、姉に向けるものとは思えない憎悪の瞳でアルフレッドはスカーレットを睨む。 「その愛称で僕を呼ばないでよ!貴方なんか姉と思ったことないんだから!」 「え、」 「当たり前でしょ!カレンを庶民だからと言って右も左も分からないのにいちいち動作を指摘して!」 「しかも、持ち物に難癖をつけたそうだな。安物だと。」 「交流会の時のドレスもそうだ。少し型落ちだがカレンに良く似合うドレスだったのに、安物だと型落ちだとバカにしたそうだな。」 「それは、」 「もはや貴様の話を聞くまでもない!」 人の話を聞くは常識だと言うのに全く、と呆れた目をしていた1人がため息を着く。 「皇太子殿下!」 「私は、この場を持って!このスカーレット・シリン・フレンダリーとの婚約を破棄する!」
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