雪の降る夜

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かくして アリシア姫は王妃となり 子供も生まれそれから‥ 「アリシア王妃様とアジェンダ王様が・・はい、参ります」サリューン 片眼は布で覆われているサリューン アジェンダ同様に赤い瞳 「今日のお菓子は何?」「ご希望は?ソリシア王子さま」 「林檎の焼き菓子、ベリーのタルト 暖かい飲み物」 「ねえ サリューン」「はい?」 「アジェンダ御父様のもう一人のお嫁さんだから 昨日は父上とキスしてたけど」 「……」「どうしたの?」 「だって 母上様がそう言っていたよ」「いえ、それは」 「何、何故、困ってるの?」「王子様」ちょっと泣きそうなサリューン 「サリューン」呼ばれて顔をソリシアの方にかかんで近づける すぐ傍に幼い王子ソリシアの顔がある ソリシアがここぞとばかり 頬にキス 次に唇 「サリューンは 僕が大きくなったら 僕のお嫁さんになってね」 「アジェンダ御父様にお願いするもん うふ」 「じゃあ、先に行くねええ」バタバタと走り去る 「お・・王子」声が震えているサリューン 木陰からの声 「黒猫のアラシャのオムツの世話とかしてたが また、おむつを替えた相手に押し倒されるか?」 「そうみたいですね にゃははん」 サリューンによく似た 彼の方が目が吊り上がってるが少年   髪は彼の方が短い彼は 口元を歪め ひきった笑顔を見せてる 黒猫耳に尻尾の美少女 嬉しそうな笑顔  「そ、それは言わないでくれるか」 本気で泣きそうな声のサリューン 「あ・・・」雪のような 雪花の花びらが風に舞う 雪花の樹が 花を咲かせて‥
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