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再び結束
「白猫の伝説では、大鳥(白鳥座)が真上に来たときに蓮行さんが空に帰ったとあります。
気になってネットで白鳥座の検索をしたら、いまの時期ちょうど白鳥座が真上に来るんです。時間は午後8時から9時頃です。」
「望実、やるなー。」瓜田が素直に褒める。
「星に詳しい高井さんがいてくれて助かりました。その時間はかなり有望ですね。
場所について、ぼくは東の遺跡を考えていたのですが夜の8時頃となると違うような気もします。東の遺跡が“契約”の場所ならば、時間は日が沈む頃でしょう。」
「白猫の伝説通りなら、場所は飛島神社になるけど……。」と飛島隼が言うと、
「単純にココっぽいけどね。」と侑香が足窪池を指さした。
「白鳥座の形の、縦の線と横の線がクロスしてるから、ココです!って感じでしょ?」
「説得力は皆無だけど、勘は良さそうね。」望実が侑香にツッコミを入れる。
「たしかに。今年も足窪池の水は干上がり、池底の祠が見えている状態です。“契約”に祠が関係しているのかもしれません。」
久しぶりにオカルト研究部が活気づき、皆んな生き生きしている。
足窪池のある位置は白鳥座のサドルにあたる。サドルは雌鶏の胸という意味だ。稗田には生玉を祠に納めるイメージが思い浮かんでいた。
「胸の中には魂か……」小さく呟いた。
「中庭がどうかしたんですか?」瓜田が聞き間違える。
「いえいえ、何でもありませんよ。」
“契約”当日は、念のため夕刻に東の遺跡へ行き、その後足窪池に向かうことにした。
「皆さん、当日は何が起こるか分かりません。できれば皆さんには家に居てほしいです。もし来られるとしても、近づかず必ず遠くから見守っていてください。大塚さんには後ほど詳しいことをお知らせします。」
未藍はうなずいた。
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