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奇策を繰り出せ!
日曜日だというのに、一斉メールによってオカルト研究部は全員集合した。小さな店内は人でいっぱいになった。
「酸素が少なくなっちゃう。」と三津子は窓を開けた。秋晴れの爽やかな風が吹きこんできた。
稗田は“契約”について、人の代表候補はいるがもう一つ別の案を用意したいと皆んなに告げた。
「皆さんに人の代表になって欲しいのです。」
どういう意味なのか全員が戸惑った。
高校生が人の代表に?!?!
「皆さんだけではありません。なるべく多くの人に協力して欲しいのです。なぜならば、これは皆んなの問題だからです。ですが、どうやってたくさんの人に知らせ、どうやって気持ちを神に伝えられるか思いつきません。」
「“契約”のこと、日本中に知らせても大丈夫なんですか?」
「“契約”の具体的な話は、なるべく知らせたくはありません。平和を願う気持ちに賛同してもらえたらと思っています。」
「それなら簡単だって! 平和への願いってさ、よくライトアップするじゃん。あれをすればいいんじゃない?」侑香が案をだす。
「なるほど、それは賛同しやすいですね。」
「今から大がかりなライトアップは間に合わないんじゃないですか? 準備期間は1日しかないですよ。」鈴木が現実的な話をする。
「スマホがあります! スマホのライトなら手軽だし紫外線も発してます。」望実が言うと、
「あ〜スマホ焼けっつって、スマホ使いすぎると紫外線で顔にシミができるって聞いたよ。」侑香が美容の雑学を口にした。
「紫外線……遺跡の石は、紫外線が当たると光ります。天の神は紫外線を感知するのではないか、そう考えたんですね?」
望実はうなずいた。
「地の神も紫外線でいいのかな?」飛島が疑問を投げかける。
「夜行性の動物は赤外線を感知するらしいですよ。そんなに赤外線は遠くまで届かないと思いますけど。」瓜田が応える。
「多くの人たちに光を使い分けてもらうのは難しそうです。ライトアップだけにしましょう。」
「あとは、どうやって広めるかですね。」
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