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ひとしきり食べて飲んで話した後で、電車は大丈夫かと聞かれた。 電車の時間は把握しているし、今から出れば全然間に合う。 けれど、 「もしあれだったら泊まってってもいいから。」 耳を赤く染めてそんなことを聞かれたら電車なんて乗るわけが無い。 泊まらせてもらうことにして食器を片付けるのを手伝う。 鼻歌を歌いながら楽しそうに食器を運ぶの青柳さんは見ていて飽きない。 そういえば前に付き合ってた先輩も鼻歌をよく歌う人だった。 可愛らしい顔立ちですごく器用で。 俺にはもったいないぐらいの人だって思ってた。 「あれ、蓋がない。んーと、んー?あ、これか!」 なぜだか青柳さんといると先輩とのことがいい思い出として上手く消化できている気がする。 無理やり忘れていたときとは違って思い出してもそんなに傷つかない。 今なら。もしかしたら。 先輩とのことをほんとに区切りがつけられるかもしれない。 あの人に会いに行くなら今しかない。 片付けが終わると早々に布団を用意してくれた青柳さんがじーっとこっちを見てくる。 まるで寝ないの?と言わんばかりだ。 「あの、俺明日例の先輩に会ってこようと思って。」 いきなり言い出した俺に驚いている青柳さんを視界の真ん中で捉える。 俺がちゃんと先輩と話せたら、、、 「俺とデートしてくださいね。」
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