そんな顔しないでくれ、

ニ

あれこれとうるさい長谷部とマンションまでかえってきた。

「...じゃ、俺の部屋ここだから。」

「いや、知ってるから！だって隣じゃんか！」

別に知らないと思って言ったわけじゃないのに、いちいちこの男はうるさい。

「あ、それとさ今遊びに来てる人俺も会ってみたい。」

「...なんでだよ。」

「だって、風見くんに思い出し笑いさせるつわものだよ?!」

「はいはい。」

ほんとにうるさい。
俺だって思い出し笑いの一つや二つぐらいはする。

さっさと部屋に戻ろうとドアノブに手をかけると、
部屋の中からダンっと音がする。

なんだろうと思いながら、ドアを開けるとなぜか玄関で青柳さんが転んでいる。

「なにしてるんですか？」

「えーと、体操？」

改めて状況を整理し、思い当たることはひとつ。

「....もしかしてドアスコープから除いてたんですか？」

「え、、、なんでわかったの？」

「いや、なんとなくそうかなって。」

なんで覗いてたのかは不明だけど、この人ならやってそう。

「ほんっとに面白いですね、青柳さん。」

まあ確かにこの人はつわものかもしれない。
....長谷部には紹介してやらないけど。