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「忘れ物してないですか?家帰れます??」 「だっかっら!俺は大人なの!」 帰るのは青柳さんを玄関まで見送る途中。 こういう冗談は何回も言ってるけど、毎回ちょっとほっぺた膨らませて反抗してくるから楽しくてしょうがない。 「別に子どもだとは思ってないですよ。」 ちょっと幼いとは思ってるけど。 まだ膨れぎみなほっぺを指でつんつんすると、かなり柔らかい。 「ちょっ......ほっぺ」 夢中になってほっぺをつついていると、青柳さんの顔が赤くなっていた。 さっきまでと違っておとなしくなっているし。 「...もしかして照れてます?」 「だって、お前がほっぺとか簡単に触るから!」 こういうとこ見るとうぶだなって思う。 恋愛初心者みたいな。 …なんて考えごとをしていると、急に頬に指が突っ込んできた。 「お返し!」 ちょっと痛かったけど、青柳さんがすごく満足そうなので悪い気はしない。 「じゃぁ、おじゃましました。」 そして、満足したら即帰ろうとするあたりもさすがである。 まぁこのあと、青柳さんを引き止めてLIMEを交換してもらったけれど。
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