サン

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『今日、あのバーにいたりする?』 仕事中にメッセージを確認すると青柳さんからだった。 ちなみにこれが初めてのメッセ。 あの日勢いで交換してから特に送る内容も思いつかないのでそのままにしていた。 だから、まさかこんなにはやくやり取りをするとは思ってもなかったわけで。 『仕事が終わり次第行くと思います。』 文面は素っ気ないけれどそれが通常運転である。 ......青柳さんは、俺に会いに来るのか? それともバーを気に入っただけか? すぐにこういうことを考え始めるあたりなんだか自分らしくない。 本来は会社の人に「もうちょっとガードが緩ければねぇ」と言われるぐらいだ。 そりゃ仕事をするうえで必要な愛想もコミニケーションもするが、それ以上はしない。 . まあいいや。 そんなこと考えたってよく分からない。 青柳さんが何かそういう才能があるかもしれないし、 俺が変わってきたかもしれないだけだ。 とりあえず仕事さっさと終わらせるために、それ以上は考えごとをしないことにした。
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