サン

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分かってた。 好きになっても報われないことぐらい。 だからこんなの一瞬の気の迷いだって、信じてた。 「別れるってなった時に、嫌だって思ったんですよ。...そんなこと思う資格なんてないのに。」 でも、所詮は思い込ませていただけだ。 1度本音に気づいてしまえば取り消すことなんてできなかった。 「別れたあと、一刻でもはやくこの気持ちを消し去りたくて頑張ったんですよ。...先輩の結婚式だってちゃんと見届けましたし。」 思い出せば思い出すほど、悲しい記憶だ。 もうこの話はやめよう。 「まぁ、そんなことが、、、ちょっ!」 「...ひどい、ひどいよ、」 びっくりした。 暗くなりすぎないように、話を締めくくろうとしたら青柳さんは号泣してた。 「なんで泣いてるんですか、、?」 もしかして、失恋の話はまだタブーだったか。 「うぅごめん。俺が泣くことじゃないのに。 でも、話聞いてるだけで克樹くんがその先輩のことがすきだったってことがすごく伝わってきて。ぐすっ。 なんで、こんなに恋ってうまくいかないんだろうね。」 「...なんででしょうね。」 ほんと、なんでなんだろか。 俺の恋も、青柳さんの恋も。
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