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くま、いぬ、くま、これは...たぬき? ちょこちょこっと置かれているぬいぐるみは全部動物だ。 全体的に可愛らしい部屋だ。 成人男性一人暮らしだとは思えない。 「気に入った子がいたら持って帰ってもいいよ〜。」 そしてこの部屋にいて全く違和感のない青柳さん。 いや、青柳さんの部屋なんだからそうなんだろうけど。 くまのぬいぐるみが似合うって、さすがだ。 「いや、とりあえず大丈夫です。」 「ほーい。あ、ビールってこだわりある?」 楽しそうにご飯の準備をしてくれている青柳さんは私服だからか、いつもより幼く見える。 そもそもなんで俺がここに居るかというと、話は1時間前にさかのぼる。 *** 『ごめんね〜。ちょっと熱もあるし、お客様にうつしても大変だから。』 会社終わりにママからかかってきた電話は、体調不良でバーを休みにするという内容だった。 丈夫なママが体調を崩すことは珍しく心配だったが、お見舞いの人が来てくれているというので少しほっとした。 青柳さんに会える予定だったから余計残念だけどしょうがない。 また後日、ママが元気になってからにしようというメールを打とうとしたところで電話がなった。 『良かったらだけど俺の家とかどう?ほら、前に克樹くんの家にお世話になったことあるからさ。だからそのお礼ってことで。』 青柳さんが結構早口で話した内容は少しびっくりはしたが、こちらとしては魅力的な提案だった。 青柳さんのことが知りたい俺にとって、家に行けるというのは色んなことを知れるいいチャンスだ。 お土産にと、ワインを買って言われた駅に向かった。
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