イチ

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「、、えと、こんばんは。俺で良ければ話聞きますよ。」 美人は慌てて顔を拭いたあと、こっちに向き直る。 「、、失恋しちゃった。」 予想はしていたがなんと言っていいか分からず俺は黙って頷き、続きを促した。 「..浮気されてた、しかも、3股。」 そう言ってまた涙を流す。 「3股、か。きついですね。」 俺は気のきいた言葉が思いつかないので、思ったことをそのまま言ってしまった。 だが、サクさんはそれでもよかったらしく話を続けていく。 「でしょ。浮気が分かってから本人を問いつめたんだ。怒りと悲しみと、なんかごちゃごちゃで。」 「はい、」 「そしたらなんて言われたと思う?」 「、、しらばっくれた、とかですか?」 「あー、そっちの方がマシだったかも。 ...だから何?って言ったんだあいつ。 冷静に、何事もなかったかのようにさ。 それがほんとにショックで頭真っ白になって、『さようなら!』って叫んで出てきたんだ。」
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