地の文と会話文。読みやすい文章ってなんだろう

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地の文と会話文。読みやすい文章ってなんだろう

 執筆していると「え、文章ってどうやって書くんだっけ」と頭の中が崩壊しだす橘やよいです。ゲシュタルト崩壊です。そんなところで、今回は描写の仕方について! 「地の文と会話文。読みやすい文章ってなんだろう」  小説には地の文と、「」でくくられた会話文があります。皆さまは小説を読む際、どちらを重視していますか?  重視というと難しいかもしれませんが、私は会話文があればざっと内容が理解できると思っています。地の文をかいつまんで読みつつ、会話文に目を通しただけでも大体の内容は理解できます。  ネット上の小説だと、私はそういう読み方をしてしまうことが多いです。隙間時間にさらっと読むことが多いから、時間かけて読めなくて……(ごめん作者さんたち、一文、一文字を頑張って書いてるのは知っているんですが……)。  で、なぜ地の文を飛ばしてもいいのかという話なんですが。たとえばこんな描写があったとします。 *****  窓の外で、雨がしとしとと降っている音がする。私は雨音が好き。聞いていると、なんだか楽しくなる。ニュースでお天気のお姉さんが梅雨に突入したと言っていたから、多分これから雨が続くだろう。洗濯物が乾かないのはちょっと困るけど、雨音をいつでも聞けるから、梅雨は嫌いじゃない。  紫陽花の葉に雨粒が落ちて跳ねる。植物は生き生きとして、むせかえるような土の香りが世界に充満する。そういうのは、嫌いじゃない。 *****  梅雨ですね。私は苦手です。(更新時5月末)  上の地の文って、情報としては「梅雨」「主人公はたぶん女で、一人暮らしか主婦っぽい」「雨が好き」くらいです。長々書いて、情報それだけ。  もちろん地の文がすごく魅力的な方もいます。私だって書き手として執筆しているときは、地の文に気をつかっています。「もっと気の利いた言い回しはできんのか!」とうなり続けています。  でも、ネット小説はさくっと読む人が多いはず。気の利いた言い回しも「長いなあ」という程度の認識になってしまう恐れがある気がします。もちろんすごく魅力的な地の文もあるんですけど……!  あくまで私はそういう読み方をしてしまう、というだけで万人にいえることではないと思いますが、そんな読者もいるんだなあくらいで受け取ってください。  ちなみに紙の書籍でも、開いたページが地の文ばっかりだと私は「読むの疲れそう」と思います。「会話文早く……!」と思う。なんとなく会話文って、ほっと気を抜かせてくれるんです。(あくまで私は、の(以下省略))  ということで、程よく会話文と地の文を使いこなすと読みやすいんじゃないかなと思います。さっきの例だと、こんな感じでしょうか。 *****  窓の外で、雨がしとしとと降っている音がする。 「雨音が好き」  ぽつりと呟く。  雨音を聞いていると、なんだか楽しくなる。ニュースでお天気のお姉さんが梅雨に突入したと言っていたから、多分これから雨が続くだろう。洗濯物が乾かないのはちょっと困るけど、雨音をいつでも聞けるから、梅雨は嫌いじゃない。  紫陽花の葉に雨粒が落ちて跳ねる。植物は生き生きとして、むせかえるような土の香りが世界に充満する。 「うん、そういうのは嫌いじゃない」 *****  ど、どうでしょうか。読みやすい……? なんかちょっといい感じになっていたらいいな。たぶん、会話文ってカッコで閉じられているから、地の文より目に入りやすいんです。だから上の例だと、「なんかとにかく雨が好きな人の話だな」という理解がしやすい……かもしれない!  まあ描写の仕方は人それぞれ好みがあるでしょうから、絶対という書き方はないでしょうけど。  ちなみにネット小説の体裁の話もしておきます。私はよく地の文と会話文の間を一行開きにしています。あと内容として切れ目があるところも一行開けがち。なんとなく、そっちの方が見やすそうだから。この辺はもう本当に好みですけど。  ただ他の方の作品で一行開きがなくても「面白そう」と思った作品は読むので、体裁も自分の好きなようにやるといいと思います。 *****  窓の外で、雨がしとしとと降っている音がする。 「雨音が好き」  ぽつりと呟く。  雨音を聞いていると、なんだか楽しくなる。ニュースでお天気のお姉さんが梅雨に突入したと言っていたから、多分これから雨が続くだろう。洗濯物が乾かないのはちょっと困るけど、雨音をいつでも聞けるから、梅雨は嫌いじゃない。  紫陽花の葉に雨粒が落ちて跳ねる。植物は生き生きとして、むせかえるような土の香りが世界に充満する。 「うん、そういうのは嫌いじゃない」 *****  ここまでくると私がよく書く小説っぽいものになりました。  本当に表現の仕方なんて人それぞれで、正解なんてないです。自分が「これだ!」と思う書き方を探すのが、執筆の大変で楽しいところだと思います。  今回は私の一例でした。  改めて自分の思考を分析してみると面白いです。皆さまも自分の執筆スタイルを振り返ってみると、新しい発見があるのではないでしょうか。 ~まとめ~ ・地の文ばかりだとちょっと疲れるかも ・ほどよく会話文と地の文を混ぜると読みやすい ・↑と、私個人は考えている。他の人の考えは知らない! ・最終的には書き手の好みや作風で決めればよし! ファイト!
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