プロローグ ド田舎のコンビニで働き始めたらお客様が殆ど妖怪ばっかりだった件

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プロローグ ド田舎のコンビニで働き始めたらお客様が殆ど妖怪ばっかりだった件

 僕の名前は、大井九郎(おおい・くろう)。その名の通り、苦労の多い人生を送って来たが、本当に大変なのは社会に出てからだった。  最近、コンビニで働き始めた。配属先はとんでもないド田舎で、過疎化が極端に進んで、もはや人が来ない。いや、人「は」来ない、と言うべきか。  最初は、人と関わらずに済むラッキーな職場くらいに思っていた。ところが、いざ勤めてみると、人ならざるものと関わる羽目になってしまった。  この店の収入は殆ど妖怪頼みだったのだ。人が減った村は妖怪の格好の住処となり、村唯一のこの店には必然的に妖怪がやってくるようになった。一癖も二癖もある客ばかりだが、店を潰さない為には注文に応えて乗り切って行くしかない。  そんな訳で、今日も僕は気苦労の絶えない生活を送っているのである。
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