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1.さなぎの夢
ここは、どこかの私立の学校。昔は、女子だけだったけれど、今は、男子も通えるようになって、共学の高校。ここで起きたことは、みな、秘密にされる。喪に付される。そんなことを言ったら、誰も、「青春」なんて、送りたくない。クラスは全部、先生の好みで、振り分けられる。生徒に与えられる「自由」とは、「自立」・「個性」・「人格形成」という名の、「檻」なんだ。
一見、綺麗に見えたものが、不自由で醜く見えるようになったとしたら、それこそ、大人になった傷跡であり、決して心の歪みではない。
さなぎの夢。まだ、何もわからなかった頃に見て、それゆえの純粋を汚した蛾は、朝には、いなくなってしまうから。
汝は、朝焼けに目覚め、自分の空を、飛びなさい。
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