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ーーそれから数日後、コンペティション当日。
「デカいなぁ……」
交通量の多い大通りに、背の高いビルが乱立しているオフィス街。
ザ・東京という雰囲気を漂わせているビル群を目の前に、みなみは思わず弱々しい言葉を漏らしてしまう。
東京セラピー協会は、この大きなビルのどれかに入っており、スマホのマップを頼りに歩いていた。
大事なコンペティションで遅刻するわけにはいかないので、最善の注意を払って、正解のビルを探し出す。
「ここだ……」
みなみはエレベーターに乗ると、セラピストと思われる人がいっぱいいて、いよいよ本番が近づいていることに気がついた。
ドキドキしているのを悟られないように、必死に平然とした顔を作る。
会場のある三十階に着くと、セラピストやら協会の人やらで大賑わいしていた。
「おーい、井手っち! こっちだよー!」
会場の大部屋に入ると、江頭オーナーが大袈裟に手を振って呼んでくれた。
江頭オーナーの胸元には、『STAFF』と書かれた名札が付いてある。
どうやら、今日は実行委員としての仕事があるらしく、サロンは臨休にしたみたいだった。
「オーナー! 良かった、安心しました」
「ちゃんと来れて良かったわ」
「もちろんですよ! それにしてもすごい人ですね、心臓バクバクです」
「みっちり練習したじゃない、自信持ってね。それにこの会場のセラピスト全員が、リフレクソロジー部門に出場するわけじゃないから安心して」
今回はセラピストの中でも、部門別に分けて競い合う。
ボディケア部門、ヘッドケア部門、リフレクソロジー部門の三つに分けられ、それぞれの専門の分野で出場が決まる。
もちろんみなみは、リフレクソロジーしかできない。
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