五章.サロン・ルポゼとストライカー

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 まさかの登場で、スイは仰天してしまう。  ここ二週間は時間が合わなかったが、連絡はマメに取っていたつもりだったのに、いきなりサロンに来るなんて……何の用なのだろうか。 「ごめん、来ちゃった」 「どうしたんだよ急に。来るなら言ってくれればいいのに」 「びっくりさせたかったのよ。あ、初めまして」  隣で唖然としているみなみに、ユアは挨拶をし始める。  みなみも、固まっていた体を起こすように、シャキッと一礼した。 「は、はじめまして! 井手みなみと申します! 首藤さんにはとてもお世話になっております!」 「あなたがみなみさんね? 帆足優愛と申します。こちらこそ、いつもスイがお世話になっております。話は聞いているのよ、ルポゼにも可愛いスタッフがいるって」 「おい、やめろって。ていうかどうして来たの?」 「たまたま近くを通りがかっただけよ。今日は休みって言ったでしょ? よく考えたら、一回もルポゼさんにはお邪魔したことなかったからね」 「そういうことか。どうする? 予約入ってないけど、施術受けていく?」 「いいや、遠慮する。今日は帰ってゆっくりしようかな」  みなみが置いてけぼりになっているのを、スイは薄々感じていた。  こんなプライベートトークは、後からでもできる……。  スイがみなみに話を振ろうとしたタイミングで、みなみがユアに向けて、何かを話したそうにしているのに気がついた。 「あ、あの……」
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